tataraのブログ
世界の椅子を知り尽くした家具職人 浜田由一氏を訪ねる
2018.10/15 滋賀県米原市 浜田工房を訪問。
ものづくりへの取組み、思想、技術など多岐に渡って興味深いお話をいただきました。
長い年月を経てもなお魅力を失わない数々の名作椅子の1/5模型をつくると、そこには検討に検討をかさね無数のアイデアや技術の蓄積・苦労が手に取るようにわかってくるという。
イメージスケッチから1/5模型をつくりフォルム・強度・構造の検証・修正を行い、1/1試作品をつくりさらに問題点を探り検証・修正を加え、はじめて図面化し製作工場での製作工程を詰めていく。
市場に流通する一連の家具製品の作業工程は、欧米の基本的なもの。検証と修正に多くの時間を費やす欧米の家具づくりに比較して、家具の歴史・経験が比較的浅い日本・アジア圏ではこの重要な時間をそぎ落とし、いきなり図面から入って職人を困らせる方法が主流だと浜田氏は嘆く。
まことにその通りで家具の完成度の違いが如実に現れてしまうことになる。素材感・座りごごちなど、人間が日常触覚的に感じとる生活道具であるがゆえに手仕事の重要性はこれからも変わることがないようにしたい。
素材へのこだわりも半端ない。
木目・ラミネート成型・曲木・組手・スチール・ステンレス・ネジ・ボルト・布・藤・藁・モケット・ペーパーコード・レザー・ゴム・アルミ・プラスティック・塗装・溶接などなど、家具に必要な素材・技術は十全に使いこなされている。
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