tataraのブログ
埼玉県立川「川の博物館」水車への塗工
2020.7月埼玉県立川「川の博物館」水車ヒノキ材への塗工。
車軸や外枠のフレームは金属製で壊れにくくなっていますが、伝用的なイメージを崩さないようヒノキを多用されている。
川の水をヒノキ箱で受けて水エネルギーを機械的エネルギーに変える回転機械。人類が開発した最も古い原動機で水資源のゆたかな日本でも古代から各地で利用・普及されてきた。現代ではすでに珍しいものではありますが持続可能性の観点から少なからずかたちを変えて見直される向きもあるようです。
水車に使われている木材は水に強いヒノキ系が多いようです。古来より木材表面は無塗装で水が染み込んで腐朽が進めば定期的に作り直して操業し続けて来ました。近年には少しでも耐久性を増すために塗膜系の塗料を使うこともあったようですが、あまり効果的には確認されず無塗装のままの方が良いかどうかといったところです。自然に伸縮する木材は、水と一緒に流れてくる小石や砂などの衝突で表面の塗膜は要を足さないのではないか。劣化した表面亀裂から水を吸い込み、カビや藻が発生する原因となり徐々に腐朽は進行してしまうようです。
そこで水に強く塗膜を形成しないtatara 撥水シリーズに注目された水車の設計会社様よりご連絡いただき試験的に撥水セラミックマルチを塗工してみることになりました。当社でも初めての取り組みなのでどれくらい効果があるのか未体験ゾーンではありますが、塗料の性能を計るにも良い機会かと考えております。
数年単位での継続的な試験になりますが折々に経過を報告できればと思います。