tataraのブログ
骨董キャビネットのレストア
昭和初期頃の骨董キャビネットを”tatara”でレストアするとどうなるのか?
どれくらいの手間がかかるのか?
どのようにレストアするのが良いのか?
ひとつのモデルケースとして撥水セラミックオイルを用いて試みましたのでご参考までにご覧ください。
大阪市北区の旅館解体の際にでたもので、レッドラワン・ラワンベニヤという名木ではないですが、しっかりとした作りと当時の家具職人の技術の高さを感じる良品。
仕上げはレッドラワン材に薄墨でマホガニー材のような風合いに着色しニスでフィニッシュしている。
制作してから80〜90年経っていることもあり表面のニスはザラつき長年の汚れで木目もはっきりとしない状態。
《作業工程》
①まず、蝶番・鍵・つまみ等の金属付属品を全て外し酢酸で洗浄・オイル磨き。
②キャビネット本体は内外共に亀の子たわしで水洗い洗浄する。
③水洗い工程中に手が触る部分、見栄えにかかわる部分を主に#800耐水ペーパーでザラついたニスを適度に落とし木目が活きるように研磨していった。これまでざっと半日程度の作業時間。
④かるく乾かし全体の研磨レベルを確認しバランよい見栄えを意識して再度水洗い研磨し最終乾燥させた。
⑤約一週間程度乾燥させ撥水セラミックオイルを塗布し拭き取りフィニッシュし、附属金物を取り付け組み立て直した。この作業もざっと半日程度の作業時間がかかった。
一連の作業を通じて、
③での耐水ペーパー工程で研磨し過ぎないよう研磨加減がいちばんのポイントかと思われる。木材の見栄えと撥水セラミックオイルのツルッと、またしっとりした木肌感はちょうどいい感じに仕上がり今回のレストアは成功したと言えるだえろう。
●端正な佇まいのキャビネットで目立ったガタつき不具合がない良品をどのようにリストアしようか。。。
●レストア完了後の佇まい。引き出し鏡板の研磨具合が少々わざとらしいが全体的に肌触りはしっとりと良好。
●レストア前の画像。シミ・くすみで材種が何なのかよくわからない状態だった。
●レストア完了後、シミ・くすみもなくすっきりとツルツル・しっとりの木肌感となった。