tataraのブログ
東広島市 八王山徳正寺 新築納骨堂 エントランス六角ヒノキ支柱への施工
2022.3月 東広島市 八王山徳正寺 新築納骨堂の最終段階に現場訪問・施工し、
エントランス六角ヒノキ支柱を仕上げた。
•2022.3/17 施工前の状態 ヒノキ材の素地の色目。
•2022.3/18 施工済み状態 ヒノキ材の色目が少々発色して見える。
今回の施工計画は、一泊二日で初日は輪染みアク止め下地材を塗布浸透させ、
翌日早朝より撥水セラミックヤケ止め屋外用を2回塗布浸透させフィニッシュした。
六角ヒノキ支柱は納骨堂の導入エリアでご住職も特に気にかけておられた様子であったこともあり、
tataraでできる最強の仕様で施工に望んだ。
六角ヒノキ支柱はヒノキの無垢材ではなく無垢板の貼りあわせ細釘を打ち込み木栓仕上げ。
接合面は僅かに隙間があり水分等が染み込みやすくカビ・腐朽に到りやすい条件であったので、
施工方法も刷毛塗布と併せて版画用の転圧ゴムローラーで圧力をかけ、できるだけ塗料を木材内部に押し込む工程を加えた。
注意したのは、塗料の塗布量で決して塗膜ができないよう木材繊維・組織のギリギリまで押し込み、
最後に乾いたウエスで拭き上げ木材繊維が表面に露出するようなイメージでフィニッシュとした。
・塗装直後の撥水状態 さて、今後どのような経年変化を示すのか継続的な観察が重要である。
ふたたび、2024.10月 約2年半経過した現場を撮影した。
•約2年半経過したヒノキ支柱の状態。多少の色褪せはあるものの気になる劣化現象は認められない。
雨風・紫外線を浴びる外側、また雨風・紫外線が緩和される内側の色目の違いは予想通りのものであった。
もっとも注目したのは、白木のヒノキ材にシミ・カビなどの気になる汚れについてであるが、
転圧ゴムローラーで圧力をかけた効果もあってか気になる汚れは全くみられなかった。
・手前のヒノキ支柱は外部に面し風雨・紫外線を浴びやすい面、奥のヒノキ支柱は比較的に緩和されている面の違いが確認できる。
外側に面したところは白っぽくなっているはいるが、
そもそも撥水セラミックヤケ止め屋外用には紫外線吸収剤(透明な粒子状のもの)が、
木材表面の定着し日毎に白っぽい挙動を示すことはご住職には了解いただいていたので問題はない。
また塗料に含まれる防カビ・防腐剤の効果も確認できた。
さらに輪染みアク止め下地材は、
木材が内在している水溶性の樹脂成分を非水溶性にすることが目的なので、
木材自身の色抜け緩和とヤセも感じることなく順調に推移しているように見える。
今後の推移も観察させていただき機会をみてメンテナンスもできればと思う。
・ヒノキ材支柱の外側下方面の2年半後の経過状態。
・ヒノキ材支柱の内側下方面の2年半後の経過状態。