tataraのブログ
tatara-hanbai合同会社 穂谷lab. office&showroom 古民家再生 2F詳細
2021年05月より大阪府枚方市 穂谷lab. office&showroom に移転し、
仕事の合間にゆっくりと古民家再生を進めてきました。
以前はゴミ屋敷同然の古民家を地元工務店が引き取り農業スクールを中心とした穂谷地域振興の拠点として古民家再生をすすめるとともに、既存の構造材、新規製作の木工事にtatara 撥水シリーズ全種類を目的別に施工、穂谷lab. office&showroom を併設し多角的な活動拠点としていく計画です。
今回のブログでは、撥水シリーズ全ての施工工程・仕上がり感・経年変化・メンテナンスなど、自ら確認・検証しながら、設計施工者・ユーザー様と共有できる資料としていければと思います。
今後の経年経過は折々のブログにて更新予定です。
いつでもお気軽にお越しいただけるショールームとしておりますが、
ご来訪希望の場合、事前にご連絡いただければありがたく思います。
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<1F〜2F スギ材踏板階段> 2021.6/21施工
2F オフィス・キッチン・屋外バルコニーにつながる屋根裏空間の構造梁を躱すための巨大な階段。垂直壁は珪藻土、踏板・縦格子は杉材を使用し、薄墨(墨汁10g/水1000ml)+柿渋(一回塗工)+撥水セラミックHD(2回塗工)の順番で施工している。
薄墨と柿渋を併用すると古民家風の古びた風合いになり、撥水セラミックHDは、柔らかい杉材をヒノキ材程度のしっかりした木質強化と、あわせて防水・防汚目的に施工している。
施工してしばらくして杉板のツヤ感がいまいちだったため、上から撥水セラミックオイルを薄く拭き込んだ。
●施工前のBefor状態。初段スギ踏板の赤身にカビが入り込んでいたためシュウ酸水溶液で木肌色調整し塗装にかかった。
●施工前のBefor状態。2Fから1Fを俯瞰する。
●施工後のAfter状態。古民家既存の構造材の色より少々濃い目の仕上げ。
●施工後のAfter状態。2Fから1Fを俯瞰する。2Fはoffice使用のため床見切り材からはクリアイメージ。※ちなみにオークフローリングは予算の都合上、既製品ウレタン仕上材。
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<2F 階段踊場手摺> 2021.5/17施工
ヒノキ材で日常的によく触れる場所でもあることから、しっとり感・木肌のツヤ感が徐々に出てくるようにと撥水セラミックオイルで施工した。施工直後ということもあり木肌のしっとり感はまだ感じられないが、撥水セラミックの防汚性で手垢などが付きにくく、徐々にキレイなオイルのしっとりしたツヤ感の風合いになっていくだろう。※階段と2Fフロアーとの見切りスギ材には、撥水セラミックHD+撥水セラミックオイルの併用し木肌強化と共にキズ・打痕抑制にも効果的。
●撥水セラミックオイルを施工した直後。
●手摺笠木のディテール。撥水セラミックオイルのエゴマ油のしっとり感が感じられる。
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<2F tatara-hanbai llc. office> 2021.5/17施工
ヒノキ框・枠+スギ鏡板の屋内建具・壁面など垂直面については、テーブルや水回りのような耐久性は必要ないので、木肌汚れ止め程度で建築用コストダウンタイプの撥水無機ウッドを2回程度塗工している。無塗装に比較して少々のツヤ感はあるものの、ほとんど無塗装のように佇まい。
塗工回数は1~2回塗布程度、ガラス成分は少々薄めので木材への浸透力も比較的弱く浅くなるので、耐久性を要する場所には不向きといえる。
事務所内から外部に面したヒノキ窓枠には、輪ジミ・アク止め下地材+撥水セラミックマルチとし、雨風・温度差による水滴、紫外線による影響も考慮して耐久性のある仕様としている。輪ジミアク止め下地材は、水溶性の樹脂成分を木材内部で固定化するウレタン系浸透材であり、雨水等による輪ジミ・鉄汚染を抑えるだけでなくアク・灰化抑制にも効果が期待できます。
●tatara-hanbai office 出入口 ヒノキ框・枠+スギ鏡板
●垂直面の建具・壁面等には、汚れ止め・色ツヤ・風合いは撥水無機ウッドが適当のようだ。
●外部に面したヒノキ窓枠 白アルミサッシ+二重ガラス
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<2Fキッチン> 2021.5/9施工
キッチンTOPは、シミ・汚れ・キズ・除菌対応のため、一般的にはステンレスもしくは人造大理石等の無機質の素材を使うのが通例といえます。最近ご要望が増えてきている木材TOPを使用し、ここでは国産天然もみの木TOPを採用、撥水セラミックHD下地+撥水セラミックマルチ併用で仕上げることにした。
仕様:TOP/国産天然もみの木 2枚剥ぎw2110×d870×t60 脚部/吉野杉材 幕板/屋久杉(古材)
国産天然もみの木は、ヒノキ材より緻密で木目がハッキリと白く美しい木肌。キッチントップに使うことで木質強化のために撥水セラミックHDを最初に塗布、その後、撥水シリーズの中で最も撥水・防汚性能の良い撥水セラミックマルチを2回〜3回目に施工した。塗布前・塗布後の違いは多少の濡れ色感で木目が明瞭になりツヤ感はほぼ素地そのままの風合い。さて、どれくらいの耐久性・防汚性があるのか興味あるところ。(2022.2/1の8ヶ月経過の画像添付)
●国産天然もみの木 キッチントップ 塗装前サンダーストップ状態。
●国産天然もみの木・キッチントップ、吉野杉角脚、古材屋久杉幕板 撥水セラミックHD+撥水セラミックマルチ併用 塗装完了
●国産天然もみの木 キッチントップ塗装完了後のディテール 多少濡れ色気味ですが、ほぼ無塗装のような仕上がり感。
2021.5月施工より、約8ヶ月経過し日常的な使用状況で食材のシミ・汚れ・キズ等、気になる変化はみられない。塗装直後に比較して、感覚的に少々油汚れなどは微妙に取れにくくなった感じはあるものの水分を含んだペーパータオル等で木目方向に拭き取るとキレイになる。
日常的な使用上の注意点としては、執拗に日の何度も水拭きをしないこと、特に汚れていない時は乾拭きをすることで木材表面の艶出しになる。また、洗剤・アルコールなど洗剤は使用しないなど。このように使用すれば一年程度はメンテナンスは必要ないくらいの耐久性です。
もし木材表面が白っぽく繊維が荒れて汚れが取れにくくなってたらメンテナンスのタイミングと考えてください。撥水セラミックマルチを乾いたウエスの少々含ませ薄く拭き込むだけで性能が戻ってきます。(ハケ塗りだと塗布量が多くなり表面に残りやすくウエス拭きで極薄の皮膜をつけるイメージです。)
エンドユーザー様など撥水セラミックマルチをお持ちでない場合は、食用えごま油・アマニ油(乾性油)で代用し薄く拭き込む方法も有効です。ただ比較的表面の油膜はやわらかく取れやすいので、少し短いスパンでメンテナンスする必要がありそうです。
●キッチンTOP 2022.2/1の8ヶ月経過 日常的に使用するなか、食材のシミ・汚れ・キズ等はほぼ確認できない。色目が少々色あせたかもしれない。
●キッチンTOPディテール 2022.2/1の8ヶ月経過 油汚れも水を含ませたペーパータオルで容易に拭き取りできる。
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<2Fまな板> 2021.5/9施工
キッチン製作と同時に、ヒノキまな板を撥水セラミックHD下地+撥水セラミックマルチ併用で仕上げた。木工関係の業者さまの間でもカッティングボード等に撥水セラミックマルチをご利用いただくことが増えてきたが、なんといっても塗膜を形成しない素地感覚で仕上がっているにもかかわらず木口部分にカビが発生しないこと、シミ・汚れがつかないことでユーザー需要にヒットしている様子。
もちろん包丁によりキズはつくが、カッティングボードの乾燥が非常に早いことでカビの発生はなく、セラミックの防汚性能も相まってキレイな状態がキープできる。
※日常キッチンで使う食材・調味料のほか、マジックインキや酢酸鉄染溶液など強力なものでも試験した。
詳しくは、簡易防汚試験資料をご確認ください。
●撥水セラミックHD+マルチ塗工後、約8ヶ月経過したもの。2箇所シミ(①酢酸鉄染め溶液・⑩マジックインキ跡)が確認されるがそれ以外は大丈夫な状態。⑨の謎のシミはいつの間にか無くなった。詳細は簡易防汚試験資料をご確認くださいませ。
●カビが発生しやすい木口部分もカビを防止できている。
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<2F階段上部、左右小窓台+キッチン小窓台> 2021.5/17施工
3連の小窓ヒノキ材台にも施工している。半屋外に位置するため経年日焼け・露染み等の検証のため、それぞれ違うタイプの撥水シリーズを塗布し観察していくことにした。
軒がでていることもあり直射日光が入らず直に触るところでもないので、経年変化には時間がかかりそうであるが気長に観察していくことにする。
・左端ヒノキ小窓台:撥水セラミックヤケ止め屋内用
・中間ヒノキ小窓台:撥水無機ウッド屋内ヤケ止め用
・キッチンヒノキ小窓台:輪ジミアク止め+撥水セラミックマルチ併用
上記3Typeで塗り分けているが、仕上がり感の違いはほぼ感じられない。
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<2Fカフェ&バルコニーデッキ 出入口扉> 2021.5/17施工
2F屋根裏空間から外部に開放的な木製バルコニー施工を計画しており、その出入口となる扉。日当良好、雨風が激しく当たる屋外暴露試験にはもってこいのスペース。
今後頻繁に出入りすることを踏まえ、輪ジミアク止め+撥水セラミックマルチ併用仕上げとし耐久性ある仕上げにした。屋外側は西日が直に当たるので木材表面の灰化は免れないが、カビ・汚れが付かなければ成功とし折々にメンテナンスも行っていく。
カフェは、ご来客時の打ち合わせ、また日常のリラクゼーションスペースとして活用している。
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<2Fバルコニーデッキ > 2022.5/20施工
屋外ヒノキデッキ材には撥水シリーズ全種類の屋外暴露試験場として2022.5月に完成。
木目方向は、撥水シリーズ全9種類を塗布。
縦方向は、デッキ素材【ヒノキt30無垢板】の表面の研磨、撥水シリーズ下地材を重ね塗り、オイル・ワックス・柿渋・薄墨・顔料など、汎用塗料の併用・重ね塗り仕様で屋外暴露試験に臨む。
今後の参考資料として貴重なものになるに違いないと考えている。 ※塗り分け仕様詳細図
活用目的は、
このデッキの経過変化を詳しく観察・メンテナンスしながら、今後の撥水シリーズ対応・判断に応用すること。 定期的に経年変化を追加報告していく予定です。
もう一つの大きな目的として、
お客様との屋外打合せスペース、およびリラクゼーションスペースとしてはとても快適である。
ご関心のある方は是非一度お越しくださいませ。
※お越しの際は事前にご連絡いただければ助かります。
リラックスした里山の中で、9種類のtatara 撥水シリーズの特徴を、直感的にわかりやすく目的に応じて判断できるものになったと思います。
●2022.4/15 ヒノキ:デッキ土台フレーム 撥水無機ウッド屋外ヤケ止めを塗布した。
●2022.4/15 ヒノキデッキ施工無塗装状態。 これをベースに撥水シリーズおよび併用塗料を※塗り分け仕様詳細図通りに塗りり分けていく。
●2022.4/22 撥水シリーズおよび併用塗料を塗り分け、文字が消えないようレーザー彫刻して完成した。
翌日、早速に雨が降った。
よく撥水するもの、色調の変化の度合い、乾きやすいもの、それぞれ特徴を比較でき早速に面白い挙動を確認。
●2022.5/20 塗り分け完成後、約ひと月経過。それぞれ仕様の違いに従って色目・表面状態に挙動が出始めてきた。 破風・軒天はこれから水洗いメンテナンスの上、輪ジミアク止め下地材+撥水無機ウッド屋外ヤケ止めを施工予定。 室外機の格子(たぶんピーラー)は、輪ジミアク止め下地材+撥水セラミックマルチを塗布。ネオジウム強力マグネットで取り外し可能なカバーとしテーブルとしても活用していく。
●2022.6/2破風・軒天のメンテナンス完了。一見変わり映えしないようではありますが、何十年も屋外に晒された杉材は内部まで灰色に経年変化し樹脂成分も枯れた状態を水洗い・拭き掃除・乾燥させてた上に、輪ジミアク止め+撥水無機ウッド屋外ヤケ止めを施工した。少々杉材色が戻り今後の耐用年数が伸びればと思う。
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<2F 洗面所> 2021.5/17施工
・入り口扉+枠:撥水無機ウッド 〜軽い汚れ止め程度の低コスト仕上げ。
・洗面台TOP:蜜蝋ワックス+撥水セラミックマルチ併用 〜ヒノキ材ノコ目風合いと防水性能重視。
・地袋:輪ジミアク止め+撥水無機ウッド併用 〜跳ねた水などのシミが出ないよう輪ジミ止めを併用。
・間仕切り笠置:蜜蝋ワックス+撥水セラミックマルチ併用 〜蜜蝋ワックスの風合いと防汚性能重視。
・ミラー/ピーラー枠:撥水セラミックHD 〜経年変化したピーラー枠に浸透性のよいHDを塗布。
●目的別に撥水シリーズを塗り分けている。実際にはここまで事細かに塗り分ける必要はありませんがご参考までに・・・。